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Kaweco「リリプット万年筆」ファイヤーブルーモデル&スタンダードモデルが入荷。
先日ご紹介したKaweco(カヴェコ)のミニサイズペン「リリプット」の万年筆が入荷しました。ブラック&シルバーのスタンダードモデルと、仕上げにバーナーで焼き付けオリジナリティ溢れる柄に仕上げたファイヤーブルーモデルの2種類です。
どちらのモデルも携帯時9.7㎝ / 筆記時12.5㎝というミニサイズになります。ペン先もおなじモノを使用しており、F細字/M中字いずれかの字幅がお選び頂けます。大きな違いはその重量です。ブラック&シルバーはわずか10gという超軽量ボディ。対してファイヤーブルーの方は23gとなり、やや重めのバランスとなります(PILOTカスタム74で17.4g)。
ここまで小振りなサイズで筆記は大丈夫なの…?と心配になってしまいますが、ペン先の精度は非常に高いです。F細字は国産のF〜FM程度、M中字は国産FM〜M程度で、どちらも海外仕様にしては細めのペン先になっている印象です。
筆記時のバランスも良好です。一見、細く短くて持ちづらい印象があるかもしれませんが、実際に握ってみるとそれぞれのカラーで意外なほど安定感があります。ブラック&シルバーは手に吸い付くようなアルミ軸の質感のおかげでしっかりとしたホールド感があり、手のサイズ感を問わず持ち易くなっています。10gという軽さが心配…という方は、別売クリップ(¥880)を付けることですこし調整ができます。
ファイヤーブルーの方は軸の適度な重みによって握った際の安定感が生まれています。筆圧が強い方や手のサイズが大きい方にはこの重量による安定感の方が心地良いかもしれません。ただ、ミニサイズで23gの重さがある…というバランスの万年筆はかなり少ないと思うので、その重みによる安定感がご自身の感覚に合うかどうか、お試しになってみることをオススメします。
インクに関する仕様ですが、どちらのモデルも「カートリッジ専用」となっております。いちおう「スポーツ」シリーズで使えるミニコンバーターが差さります。しかし、ノブ引き上げ式になっているこのミニコンバーターでは、インクを吸い上げるために引き上げたノブの長さがリリプット鞘軸の長さよりも足が出てしまいます。つまり、鞘軸と首軸を嵌合すると引き上がったノブを途中まで押し下げてしまい、吸い上げたインクを押し出す格好になってしまうのです。
…言い返せば、「ノブが押し下げられる位置までなら吸入が可能」ではあるのです…笑)。安全圏はミニコンバーターの3分の1くらいの容量でしょうか。使用する際にはくれぐれもインク漏れにご注意くださいませ。
携帯の際にこれほど嵩張らない万年筆はなかなか無い…という圧倒的な強みがあるので、お手持ちの万年筆との差別化が容易な点がリリプット万年筆の購買欲をそそる1番の魅力かもしれません。万年筆としての筆記性能にも十二分に優れたスペックを有しており、実用性が非常に高いモデルです。そういう意味ではギフト品としてもオススメできるかなと思っています。
ブラック&シルバーはお値段以上の働きをしてくれること間違いなし。ファイヤーブルーはなかなかのお値段ですが唯一無二の美しさで実物を見てしまうと思わず候補に入ってしまうことでしよう。出かける際に気軽に持ち出せる万年筆が欲しい…なんて方にはこれ以上ないうってつけの逸品でございます。